Google

Yahoo! JAPAN



ウッドワード・ホフマン則LINK集

エチレン2分子が [2+2] 環化付加反応によりシクロブタンを生成する反応について考える。 この反応においてはエチレンの2つの π 結合が切断され、2つの σ 結合が生成する。 また、同時に対応する π* 結合が切断され、σ* 結合も形成される。 よってこれらに属する電子が反応に関与する電子である。次に反応系から生成系に向かってこれらの分子軌道のエネルギーがどのように変化していくかを考える。 これを表す図を軌道相関図という。 軌道相関図を描くには反応系と生成系について分子軌道を描き、対称性の同じものを軌道のエネルギーの低い順に結びつけていく。 このようにして軌道相関図を描くと切断された2つの π 軌道のうち1つは σ 軌道に、もう1つは σ* 軌道になることが分かる。

一方、片方のエチレンが1電子励起状態、もう片方のエチレンが基底状態にある場合を考える。 この場合、2つの π 軌道に3つの π 電子が、1つの π* 軌道に1つの π 電子が所属している。 反応前に2つの π 軌道にあった電子は反応後に1つの σ 軌道と σ* 軌道に所属することになる。 一方 π* 軌道にあった電子はもう1つの σ 軌道に所属することになる。 このようにして1電子励起状態のエチレンと基底状態のエチレンが反応した場合、σ 軌道に3つの電子、σ* 軌道に1つの電子が所属した1電子励起状態のシクロブタンが生成することになる。この励起状態分のエネルギーは最初に片方のエチレンを1電子励起状態にする(通常は光によって与えられる)エネルギーでまかなうことができる。そのため活性化エネルギーの障壁を越えて反応が可能となる。 このように軌道の対称性の点からは起こることが許されている反応は対称許容であるという。

例えばエチレン2分子からシクロブタンができる反応においては、電子数2の π 軌道2つが反応に関与している。 立体的にアンタラ面型の相互作用は起こらずスプラ面型に相互作用するので、電子数 4m + 2 のスプラ面型に相互作用する反応要素の数は0、電子数 4n のアンタラ面型に相互作用する反応要素の数も0で、よってそれらの合計も0、つまり偶数となる。 そのためこの反応は光反応において対称許容である。また、1,3-ペンタジエンのシグマトロピー転位では4電子のジエン部分の π 軌道と2電子の転位する水素と炭素との σ 結合が関与している。 水素が π 軌道の節面に対して最初に存在したのと同じ側の面内で移動する場合、ジエン部分の π 軌道も炭素と水素の σ 軌道もスプラ面型に関与する。 電子数 4m + 2 のスプラ面型に相互作用する反応要素の数は1、電子数 4n のアンタラ面型に相互作用する反応要素の数は0で、それらの合計は1、つまり奇数となり、熱反応で対称許容となる。 逆に水素が π 軌道の節面に対して最初に存在したのと同じ側の面内で移動する場合、ジエン部分の π 軌道はアンタラ面型、炭素と水素の σ 軌道はスプラ型に関与する。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


Copyright (C) 2009 ウッドワード・ホフマン則LINK集 All Rights Reserved.

リンク集1 リンク集2 リンク集3 リンク集4